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『いぬのきもち』🐾

皆さん、こんにちは。今日は『いぬのきもち』7月号の紹介です。
ベテラン版さんの特集、『拾い食い なんとかやめさせたい!』の監修を担当しました。ベテランさん版で? はじめてさん版(=パピー向け)ではなくて?と思う方も多いでしょうか? 『いぬのきもち』の読者さんアンケートによると、約半数近くのベテラン飼い主さんが、拾い食いの対応に悩んでいるとのこと。聞かれないだけで、結構悩んでいる飼い主さんは多いのねぇ~と、気づかされた特集となりました。

拾い食いでお悩みの飼い主さんは、パピー時代は言わずもがな、2歳、3歳、時にはシニア期になっても継続中という方も。拾っているモノとしては、草や枯葉や小枝を拾うのは序の口で、紙やティッシュ、人の食べ物、小石、時には昆虫やカエルなども口にしてしまうことも! 口にしたモノによっては、命にかかわる大事故に繋がることもあります。
私も実際に、道に落ちていたウェットティッシュを何枚も飲み込んでしまい、お正月早々に救急病院に駆け込んだ...という飼い主さんを知っています。たまたま病院にいた時に、カエルか咥えてしまい担ぎ込まれたワンちゃんを見ました。残念ながら、そのワンちゃんは亡くなったそうです。(カエルの種類によっては、強い毒性を持つものがいます。散歩中や、ワンちゃんがお庭にいる時には注意してください!)

笑顔の柴犬

こまちゃん
ほんの少し前までビビリさんでしたが!
只今、絶賛急成長中です✨

犬友さんや病院で、色々な危険な話を聞けば聞くほど しっかり対応しなければ! と思う飼い主さんは多いはず。しかし、ちゃんとやっているはずなのに、上手くいっていない...というのが現状でしょうか? その状況を打破するために、今回の特集では、「ちょっと変えてみませんか?」という提案をさせていただきました。

笑顔のハスキー

プリンセス(通称プリン)ちゃん
昔のお転婆ぶりはどこに行ったかな?
今は落ち着いた大人な犬に成長しました💕

皆さん、ワンちゃんが拾い食いをした時に、『口から出す』ことが、拾い食いの1番の対策だと思っていませんか? 正直、その対応では遅すぎます!
確かに『口から出す』ことは教えなければいけませんが、それは、『出す』のではなく、『出す』ことを教えていくことです。犬にとって『取られる』のと、『出す』では、全く意味が違います。

また、犬が口に咥えてから対応するのも遅すぎです。皆さん、なぜ、犬にから、行動をとる(=注意する)のでしょうか? なぜ、犬がに、行動をしない(=回避させない)のでしょうか? きっと「目の前にあるモノを(失敗する前に)回避させることなんてムリです!😠」と多くの方が思っていると思います。

確かに、事前の練習なしに、目の前のお宝を回避させるのは、かなり難しいことです。しかし、事前に練習をしておけば、かなり高い確率で回避できるようになります。この、『口に咥える前の対応』ということのなります。きっと、皆さんが考えている 事前と、私が言っている 事前には大きなタイムラグがあるのではないでしょうか?!

どうすれば、犬が口にする前に、拾うのを回避できるのか? そもそもなぜ落ちているモノに興味を持つのか? まずは、飼い主さんの考え方から変えていきましょう!

マットの上でオスワリする柴犬

安全地帯のマットがあれば、
どこにでも行けるねぇ~ こまちゃん

フセをする柴犬

「こまちゃん、フセ、マテェ~」

オヤツがあれば、頑張れます!
by こま

おもちゃの中で座っている柴犬

こんなお部屋はダメですよ!のカット
微動だにしないこまちゃん
さすがですっ👏

おもちゃを確認する柴犬

もちろん「OK」の後は確認しないとね😉
by こま

今回の撮影に参加してくれたのは、半年ほど前に知り合いになった豆シバのこまちゃんと、子犬の頃から知っているハスキーのプリンセスちゃんです。2人共、撮影には初参加でしたが、まったく動じず、こちらのお願いをシッカリ、キッチリ実行してくれました。「さすがウチの子たち!」と、鼻高々だった、私です😤

2人共、以前から「出して」のコマンドは習得済み。このコマンドは難しそうですが、日常の遊びを通して教えていくと良いコマンドです。この時、絶対に忘れてはいけないのが、『奪い取らないこと!』です。遊びであろうが、拾い食いであろうが、飼い主さんは犬が口にしているモノを!と思っているのか、すぐに奪い取ろうとします。パピーの頃は特に❗ しかし、この対応が、拾い食いを悪化させていることに、気づいてください! 口を触らせなくなる原因となっていることに、気づいてください!
パピーの飼い主さんは「でも変なモノを口にしたら危ないじゃないですかっ!」と言うかな?! そもそも、パピーがいる場所、遊ぶ場所に危ないモノを置いておくのがNGなんです。『床に置いてあるモノは犬のモノ!』 そう考えてください。そして、安全な場所で、遊びを通して「出して・ちょうだい」のコマンドを教えていけば良いのです。何も難しいことではありません。

アヒル口輪をする柴犬

大好きな“ちゅ~る”を使って
アヒルチャレンジ中のこまちゃん

2週間ほどでチャレンジ成功👏
今では「アヒルぅ~」のコマンドで、
口輪にマズルをズボッと入れるように
なりました👍

今回、こまちゃんプリンちゃんには、それぞれ拾い食い回避の方法を練習をしてもらっていました。こまちゃんにはアヒル口輪の練習を。プリンちゃんには「離れて」の練習を。それぞれチャレンジしてもらいました。

「口輪」と聞くと、ネガティブな印象を持つ飼い主さんが多いように感じます。「噛む子」「ダメな子」「言うことを聞かない子」などでしょうか? でもそれって、見た目だけの判断ではないでしょうか?
実際、口輪も練習しないと、落ち着いて着けることができません。病院で口輪を着けられパニックになっている子は、練習ができていないからこそ、パニックになってしまっているのです。逆に言えば、落ち着いて口輪ができる子は練習ができている、ということです。

落ち着いて口輪ができれば、デメリットよりメリットの方が多いです。例えば、病院では治療の時間が短くなることもあります。爪を切るだけで大騒ぎになり、麻酔を掛けられた子も、口輪さえできていれば、麻酔の必要はなかったかもしれません。万が一、ワンちゃんがケガをした時に口輪さえできれば、スムーズに病院に連れて行くことができます。(どんなに大人しい子であっても、体に痛みがある場合には、口が出てしまうことがあります)

「悪い子だから口輪をする」のではなく、『トレーニングの1つとして、口輪チャレンジをしてみる』と考えてみては如何でしょうか?! いつか、役に立つ日が来ると思いますよ😉
ちなみに拾い食いでの口輪の役割は、口輪で拾い食いを止めさせることではなく、拾い食いできない状況を作って、拾い食いをしないことを強化していくことが目的です。当然、最終目標は口輪なしで歩くことです。一生、口輪をつけて散歩させることではありませんので、そこを勘違いしないようにしてくださいね😉

立っている柴犬

アヒルチャレンジ、お疲れ様ぁ~
色々なことにチャレンジして、
自信をつけていこうね、こまちゃん😉

笑顔でコチラを見るハスキー

ベッドの上ではしゃいでいたプリンちゃん
まさか私がいるとは思わなかったようで、
一瞬固まり、笑って誤魔化すプリンちゃん
その後は飛んできて大騒ぎとなりました😅

プリンちゃんには「離れて」のコマンドを練習してもらいました。「出して」のコマンド同様に、「その場から離れてもらう」コマンドです。このコマンドを理解していると...

    1. コマンドで、離れて欲しい対象物が何であっても(=物、人、犬、猫など)離れてくれるようになります
    2. 事前に「離れてねぇ~」と伝えておくだけで、対象物を見ても、飼い主さんとアイコンタクトをとりながら、上手に無視してくれるようになります
    3. 対象物をガン見していたとしても、軽くリードを引いてお知らせするだけで、視線を外し、離れてくれるようになります
    4. 離れれば良いことが起きる!と理解しているので、拾い食いをする回数がドンドン減っていきます

という感じになっていきます。

撫でられてご満悦なハスキー

カメラマンさんに撫でられてご満悦なプリンちゃん
実はカメラマンさん、編集者さん共に、
久々参加のハスキーとのモフモフタイムを
楽しみにしていました(笑)
人も犬も癒しのモフタイム満喫中😆

おもちゃを見つめるハスキー

モフタイムだけではなくて、撮影もがんばりました!
「出して」の撮影中
プリンちゃんの「出して」はなぜか投げてくるんですよねぇ~
しかも結構正確に放り投げます😅
謎です(笑)

にわかには信じられないかもしれませんが、実際にそうなっていきます。もちろん失敗することはありますが、練習すればするほど精度は上がっていきますよ。
実際に、プリンちゃんはお散歩中、鳥の〇〇を食べてしまうのを止めさせたくて、このコマンドを練習しました。今では近くにあっても、ほとんど見向きもしなくなったそうです。シッカリ回避できた時にママさんが褒めてくれるので ソッチの方が得!と理解したからだと思います。プリンちゃん自身が 自分でそうする!と決めたことなので、常にコマンドを言わなくても、「アタシ、拾わなかったよ~ ママ、見たぁ?! アタシ、エラくないぃ~😤」と、飼い主さんに確認を取るようになってきたんですね~ エライぞ、プリン

フセながらチラ見するハスキー

フゥ~っと休んでいる時に
激写されてしまいました

どこに行ってもマイペースな
プリンちゃんです

フセ撮影中のハスキー

今度は撮影中です
ちゃんとフセ・マテできますよぉ~👍

クッションにアゴを乗せて寝るハスキー

試しにクッションを置いたら、ちゃんとアゴを乗せて寝てくれました(笑)
しばし休憩...😴
マイペースっぷりを撮影の最後に披露
してくれたプリンちゃんでした😅
お疲れ様ぁ~ プリン

拾い食いは、目の前に拾って欲しくないモノがある時だけ、回避させようとしても上手くいきません。飼い主さんにとっては、失敗させた経験が積み重なるだけです。ここであえて 飼い主さんにとってはと書きましたが、犬にとっては失敗ではなく、『飼い主さんの手を掻い潜ってGETできた』という成功体験にしかなりません。飼い主さんの知らない間に、犬は拾い食いの成功体験をしているということです。
ですから、犬に飼い主さんが思う成功体験をさせて、「こうして欲しい!」としっかり伝えてください。口から出すこと、気になるものがあってもチラ見して回避できれば、拾い食いの危険度はかなり減っていきます。

失敗しないような環境を作ってあげてください。部屋の中にある危険なモノは、犬の近づけない所、犬の届かない所に入れてください。以前、引き出しを開けて、飼い主さんのお薬を飲んでしまった子がいました。飼い主さんが毎日引き出しを開けて口に入れているので、自分も欲しくなってしまったのでしょうか? 直ぐに気が付いて病院に運んだので、一命を取り留めましたが、危険な状態だったそうです。
外での散歩中は、興味をそそるものがいっぱいあります。しかし、犬にとって一番楽しいことは、飼い主さんと一緒に活動することです。それができなければ、犬は自分で楽しさを探すしかありません。犬の視線を地面ではなく飼い主さんに向けてもらうためにも、楽しいお散歩を心掛けてください。どうしても難しい時には、口輪を使って拾わない習慣を身につけさせるのも⭕ですよ😉

『口に入れた時に、口に手を入れて取り出す』ことでは、拾う食いを克服することはできません。『犬が自分で口から出す』『犬が色んなものを口に入れない』そのことをシッカリ教えてあげてくださいね。頑張って!